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スタッフ紹介 Vol.2 田村 和也

「ビール好きを増やす草の根活動をしています」

ブラッセルズ神楽坂店長
田村 和也

無類のビール好きの田村さん。ビールへの愛はベルギービールに留まらず、クラフトビール全般に及びます。神楽坂の地でビールファンを増やす草の根活動をする田村さんに、ビールとの出会いから接客の秘訣を伺いました。

好きになったらとことん!ビール愛は誰にも負けない

――ブラッセルズに入社するまでの経歴を教えてください。

実はブラッセルズ入社前は全然畑違いの「天丼てんや」で働いてまして。大学の時にアルバイトを始めたのがきっかけなんですが、それがものすごく楽しかったんです。同世代が多いお店で、和気あいあいとしていたのが良かったんでしょうね。大学4年間ずっとバイトを続けて、卒業後はてんやで店長をやりたいと思って、卒業後1年間修業をした後、24歳で晴れて「てんや」の店長になりました。その後2年半店長をしたんですが、その間にビールにはまってしまったのがブラッセルズに転職するきっかけとなりました。

――ビールとの衝撃的な出会いがあったのですね!?

そうなんです。よく覚えているんですが、ビールにのめり込んでいくきっかけは2回ありました。いつも1日の営業終わりにてんやの同僚と飲みに行ってたんです。基本的に安い居酒屋だったんですが、たまにおしゃれなダイニングバーに行くことがあって。そのお店には樽生のヒューガルデンとバドワイザーを出していて、ボトルビールも置いてありました。大体は樽生を飲むんですが、たまにはボトルビールでも…と思ってオーダーしたのが「デュベル※」で、それはもう衝撃を受けましたね。ビールって色々あるんだなと。色味は今までのビールと変わらないんですが、飲んでみたら度数も強いし味も全然違って、なんだこれ!!と思いました。そこからビール関連の本を買って読んでみたり、クラフトビールを出すお店に行ってみたりするようになりましたね。

※デュベル…「世界一魔性を秘めたビール」と称される、ベルギーのゴールデンエール

――きっかけはデュベルだったんですね!2回目のきっかけは何だったんでしょうか?

さいたま新都心の「けやきひろばビール祭り」に行った時のことです。国内最大級のクラフトビールイベントで、その日は朝から夜まで飲んでいたなかで、5杯目で飲んだ箕面(みのお)ビールのスタウトにものすごい衝撃を受けたんです。そこからビールにどはまりして、大変なビール人生が始まりましたね…笑。

――それでどうなってしまったんですか?!

次はビールの仕事をしようと決意しました。醸造所か、ビールの輸入か、ビアレストランか…と考えてレストランにしようと決めました。多分てんやでの接客のベースがあったのと、お店にいた方が色んなビールに触れられるかなと思ったんです。

――どうやってブラッセルズに出会ったんですか?

当時よく行っていた、ホップデュベル(新橋にある焼鳥とベルギービールのお店)の大将にビールの仕事をしたいと相談してみたんです。そしたらブラッセルズという会社と取引をしているから聞いといてあげるよと言ってくれて。3回面接がありましたが、とんとん拍子に決まりました。

――ブラッセルズにした決め手は何だったのでしょうか?

ベルギービールを沢山扱っていたのでいいなと思いました。あとビールの輸入もしているので、より深く知れますし。正直なことを言うと、僕はビール全般が好きなので、たまたまベルギービールのお店で働いているという感覚ですね。でも入社してからもう7年も楽しく続けられているのは、こうやって同じ場所で働いていても新しい情報がどんどん入ってきて飽きないからだと思います。もちろん自分でも勉強しますが、お客様からだったり、仕入先からだったりと、沢山のビール情報が入ってきます。

ベルギービールとクラフトビールの架け橋になりたい

――ほんとにビールがお好きなんですね!

大好きです。実は僕は野望がありまして…。ベルギービールを飲んでる人と、クラフトビールを飲んでる人ってあまり被っていないなということに気づいたんです。で、どっちも飲んでる人が少ないので、その2つのグループをつなげたいなと思って。ベン図のこの重なりを大きくしたくて、ブラッセルズに来てくれるベルギービールファンの方には他のビールの話をして、クラフトビール全般が好きな方はベルギービール沼に引き釣り混む(笑)。クラフトビールってルーツがベルギービールなことが多いので、そんな話をしたりします。

――なるほど、ベルギービールとクラフトビールの橋渡しをされているんですね!

はい、神楽坂でビール好きを増やす草の根活動をしてます(笑)。

――素敵です!田村さんはどんなお店にしたいですか?

生きてたら嫌なこととかあるじゃないですか?なので家に帰る前にここで嫌なことを忘れていって欲しいなと思ってます。クッションのような存在になりたいんです。そしてお客様に何か一つでもいいなと思うものを残したい。料理でもビールでも居心地でも。

お客様との絶妙な距離感、見つけます!

――田村さんが気を付けてることはありますか?

距離感ですね。話しかけて欲しい人なのか、ほっといて欲しい人なのか…。全部正解を取れているとは思いませんが、些細なことを観察しながら、その人に丁度いい距離感を探しています。ビールにはまってくれたなと思ったら距離を詰めまくります(笑)。

お客様からの口コミで、田村さんの距離感が絶妙だったと書いてもらっていたのを見た時は嬉しかったですね。

――仕事のやりがいを教えてください。

お客様からビールの質問を受ける時ですね。どこどこに旅行に行くんだけどおすすめのビアスポットない?と聞かれた時とか。信頼されてるな、と嬉しく感じます。ベルギービール専門店にいるのに、日本のクラフトビールのお土産がどんどん増えていきます(笑)。でもそれも多種多様なヒト・モノが集まるベルギーらしくていいですけどね。

ーー大変なことはありますか?

大変なこと…、ないですね!

お店は色んなお客様が来て、色んな話が出来るので、色んなことを知れる職場だと思います。特に神楽坂は、様々なスペシャリティを持った方が集まる場です。狭い店ですが、幅広い話が聞けて必ず自分の人生のプラスになると思います。

――田村さん、ありがとうございました!